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政治

立憲民主と維新 「急接近」のその先

「合併」はありうるか

2022年11月号

 同じ野党でも違う方向を見てきた立憲民主党と日本維新の会の接近ぶりが顕著だ。二〇一二年の第二次安倍晋三政権発足から岸田文雄政権まで自由民主党を利してきた「多弱」の光景が変化する兆しとも映る。衆議院でのそれぞれの議席数九十七、四十一の合計は百三十八と、〇九、一二年の政権交代直前の野党第一党を上回る。陰りの見える岸田政権を前に、「立維共闘」はどこまで進むのか。
 最近、永田町でちょっとした話題になった論文がある。
 二一年衆議院選挙に広島二区から立憲民主公認で立候補して落選した政治学者の大井赤亥が唱えた「3・2・1の法則」(『中央公論』二二年十月号)だ。
 そこには、一九九三年以降、政治は「保守(自民)・旧革新(リベラル)・改革(ネオ・リベラル)」の三極構造となり、二〇一二年以降の選挙での得票比は三対二対一で推移し、二二年参議院選挙でも「自民党と公明党」「立憲民主党など」「日本維新の会」の比例選の得票比は三対二対一だったという分析が示してある。
 〇九年に政権を獲得した民主党の転機が〇三年に小沢一郎率いる自由党との「民由合併」だったように、政権交代へ・・・