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政治

萩生田光一は「ポスト安倍」たりえず

《政界スキャン》

2022年11月号

 近頃、萩生田光一自民党政調会長が、何とも言えない嫌な感じを、表情から目付き、ちょっとした仕草や言動まで全身から放射している。一言で言えば傲岸不遜。前からその気質はあっても公の場では取り繕っていたのが、むき出しにするようになった。侮れない。というのは一般人なら「あの人、感じ悪いね」と鼻つまみ者だが、政治家とは奇怪な職業で、「最近、本気モードになった」と一目置かれるようになるからだ。
 臨時国会召集前の十月二日。与野党政策責任者が一堂に会する恒例のNHK番組「日曜討論」で、萩生田氏は司会の解説委員に顔を向けるだけで、野党幹部らが話す間中、あらぬ方へ視線を逸らし続けた。日本維新の会や国民民主が、自衛隊の反撃能力に理解を示したり、防衛費増額への同調を匂わせたり、与党寄りの態度を示すと、「分かってるじゃないか」と言いたげな一瞥を投げるだけ。隣席の高木陽介公明党政調会長が、発言者全員の顔を見ながら聴き入る態度とは好対照だった。
 同十七日、衆院予算委員会で最初の質問に立った萩生田氏は、冒頭から旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題で人を食った幕引きに出た。「党として統一教会と・・・