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頓挫する「中国製造2025」

「半導体封鎖」で散った習近平の夢

2022年11月号

 世界が注目した第二十回中国共産党大会で、習近平総書記は「現代的産業システムの構築」を自身の三期目以降の主要目標に掲げた。生産力、品質力、ネットワーク力などの強化で「(建国百周年の)二〇四九年に製造強国の先頭に立つ」狙いだ。その最初の障害になるのが米バイデン政権が欧州、日本、韓国など同盟国とともに進める対中「半導体封鎖」である。半導体産業が弱体の中国にとって先端半導体と半導体製造設備の調達を止められれば、先進国に並びかけた人工知能(AI)や通信、航空宇宙などの産業技術の開発は一気に失速する。外資製造業の生産、研究開発拠点の国外移転も加速するなか、「製造強国への夢」は雲散霧消しかねない。
 共産党大会が開幕する九日前、米商務省の産業安全保障局が発表した半導体技術をめぐる新たな規制は、中国の産業界だけでなく共産党指導部にも衝撃を与えた。「米国の市民権や永住権を持つ者は中国で半導体の開発や製造支援に従事してはならない」という新規制である。
 一八年春にトランプ前大統領が戦端を開いた米中対立では、米ソ冷戦や一九九六年の台湾海峡危機の米中対立とは異なり、産業が主戦場となり、中・・・

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