世界の暗雲「人手不足不況」
安い日本に「好機到来」との説
2022年11月号
世界経済が全く新しい不況に入った。日本や米国、欧州各国では、新型コロナウイルス感染拡大後の景気回復で、「完全雇用」と呼べるほど失業率が低下し、人員不足が顕著になっている。
ところが、人員や素材の供給が間に合わないことで経済成長に急ブレーキがかかり、「ジョブ-フル・リセッション(完全雇用下での不況)」という、新種の経済危機が起きている。
新しい状況に対処するには、高度化された人材と自前の製造能力を持つことが不可欠だ。
産業諸分野で高い潜在的能力を持ちながら、各種指標で衰退著しかった日本に、「再起のチャンスが到来した」とする、海外の経済専門家も現れ始めた。
配管工が「十万ドルプレイヤー」
まず米経済の現状を紹介しよう。欧州と同様に、米国では二つの四半期が連続してマイナス成長になると、「Rワード」(リセッション=景気後退)が使われる。
今年の第1四半期のマイナス一・六%に続き、第2・・・