ベルギーが買い込む 「ロシア産ダイヤ」
EU制裁の「欺瞞」と破綻
2022年11月号
ウクライナでの戦争を巡る欧州連合(EU)の対ロシア結束は、もはや限界に達しつつあるのではないか。最近の制裁協議を見れば、そう思わずにはいられない。結束を乱す「裏切り者」は、天然ガスなどロシア産資源に依存するドイツやプーチン露政権と緊密なハンガリーだけではない。EUのお膝元であるベルギーまでもが、ロシアとのただれた関係に甘んじているのだ。両国は「血塗られたダイヤモンド」によって結ばれている。
EUは十月六日、ウクライナに侵攻を続けるロシアに対し、第八弾となる制裁パッケージを発表した。これに先立つ九月末、ロシアはウクライナ東部・南部四州の一方的な「併合」を宣言。EUの外相にあたるボレル外務・安全保障政策上級代表は「最近のプーチンの(行動の)エスカレーションに対する我々の決意の証拠だ」と強調した。だが、その「決意」はどうにも疑わしい。
第八弾制裁の柱となったのは、ロシア産石油に対する価格上限設定だった。ただ、これは九月初めに主要七カ国(G7)レベルで合意した方針に沿っただけでインパクトは弱い。ロシアによるウクライナ侵攻の開始から八カ月を超え、EU制裁が「弾切れ」にな・・・
EUは十月六日、ウクライナに侵攻を続けるロシアに対し、第八弾となる制裁パッケージを発表した。これに先立つ九月末、ロシアはウクライナ東部・南部四州の一方的な「併合」を宣言。EUの外相にあたるボレル外務・安全保障政策上級代表は「最近のプーチンの(行動の)エスカレーションに対する我々の決意の証拠だ」と強調した。だが、その「決意」はどうにも疑わしい。
第八弾制裁の柱となったのは、ロシア産石油に対する価格上限設定だった。ただ、これは九月初めに主要七カ国(G7)レベルで合意した方針に沿っただけでインパクトは弱い。ロシアによるウクライナ侵攻の開始から八カ月を超え、EU制裁が「弾切れ」にな・・・