プーチンはどう破滅するか
終幕前「核使用」の狂気
2022年10月号特別リポート
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に終焉の時が近づいている。ウクライナ侵攻の失敗を挽回するため、実行不可能な「三十万人の部分的動員」を命令し、「そんなところまで困っていたのか」と内外の軍事専門家を驚かせた。軍への召集を逃れるための国外脱出は、即座に国境での長い列になり、動員年齢の男性を抱える農村部にも動揺が広がっている。
プーチン大統領には、戦線を膠着させて持久戦で臨む選択肢もあるはずだが、敢えて社会的抵抗の大きい性急な手段に訴えた。ロシアの野党指導者の間では、「大きな社会混乱」を予測する声もある。帝政ロシアやソ連が終わりを迎えたような瞬間が、プーチン体制にも迫っているのだろうか。
欧州各国の言語には古来、「足で投票する」という表現がある。抗議デモに参加したり、政府の命令に従わなかったりと、直接行動で自分の意思を示すことを指す。
現代史では誰あろう、ロシアの革命家ウラジーミル・レーニンが、ロシア皇帝の軍隊から、兵士が続々と脱走したのを「彼らは自分の足で投票した」と評して、帝政終焉が近いことを予測した。
九月二十・・・