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経済

大和証券で顧客と「訴訟」続発

高齢者騙す「悪徳販売」の無法

2022年10月号

 金融庁は「顧客本位の業務運営」の大号令をかけて、金融事業者に実行を求めてきた。顧客不在のビジネス一掃を目指しているのだが、大和証券を巡って、今年、まったく相反する実態が司法の場で明らかになった。主婦が一億円の損失を被ったというのだ。さらにハイリスク投資商品であり、問題の多い「仕組み債」についても同証券は売りまくってきた。その背景には、時代錯誤の旧態依然とした大和証券の「儲け至上主義」が根深く横たわる。
 一億円の損失を被ったのは埼玉県の主婦だ。相続した株式などを売却しようと相談した同証券社員から「保有有価証券を担保とするローンの利用」を勧められた。十分な説明がないまま、そのローン資金で投信や仕組み債などを次々に買わされた。証券担保ローンの利用によって、レバレッジリスクは六倍に達し、信用取引に匹敵するハイリスク投資に主婦は知らぬ間に陥っていた。結局、担保割れから最終的に損失は一億円規模となった。これは証券担保ローンの悪用に他ならない。
 今年三月十五日、東京地裁は大和証券に対して約一千九百万円の賠償支払いを命じた。同証券は自らに非はないという立場から東京高裁に控訴し・・・