迫る「岸田増税」の足音
防衛費増額「国力強化」を口実に
2022年10月号
国が危機に直面していると思えば、国のために身を削ることへの国民の許容度は高まる。ロシアによるウクライナ侵攻がもたらした日本の安全への不安や、それに付随する防衛費増額を支持する声に便乗し、岸田文雄政権は増税に向けた仕掛けを始めた。防衛費に関する有識者会議の設置である。
九月八日、岸田は総理大臣官邸での記者団との質疑で「防衛力の抜本的強化に必要な内容の検討、予算規模の把握、財源確保を一体的に進めるため、『国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議』」の新設を切り出した。
発言を子細に見れば、防衛費が大きく伸びたように見せながら実際は小幅増で抑え、今の国民負担率のままでは必要な防衛費も確保できないと訴えて増税路線を敷く意図が見え隠れする。経済産業省出身の「官邸官僚」が跋扈した安倍晋三内閣や、その影響を排除する道半ばで退陣した菅義偉内閣と違い、財務省が復権した岸田官邸ならではの動きと言っていい。
愛国心をくすぐる「からくり」
くせ者は、有識者会議の名にある「国力」だ。当たり前のような言葉・・・
九月八日、岸田は総理大臣官邸での記者団との質疑で「防衛力の抜本的強化に必要な内容の検討、予算規模の把握、財源確保を一体的に進めるため、『国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議』」の新設を切り出した。
発言を子細に見れば、防衛費が大きく伸びたように見せながら実際は小幅増で抑え、今の国民負担率のままでは必要な防衛費も確保できないと訴えて増税路線を敷く意図が見え隠れする。経済産業省出身の「官邸官僚」が跋扈した安倍晋三内閣や、その影響を排除する道半ばで退陣した菅義偉内閣と違い、財務省が復権した岸田官邸ならではの動きと言っていい。
愛国心をくすぐる「からくり」
くせ者は、有識者会議の名にある「国力」だ。当たり前のような言葉・・・