「旧統一教会・国際勝共連合を巡る一連の報道の中で、同団体と日本会議が『共闘』『連帯』『連携』しているという報道が一部に見られますが、事実と異なっており、以下の通り見解を述べさせていただきます。日本会議は、その前身団体である日本を守る会、日本を守る国民会議の設立以来、約五十年間にわたり、今日まで旧統一教会（現世界平和統一家庭連合）・国際勝共連合とは、役員就任をはじめとする組織的関係及び国民運動上の協力関係はございません」
　安倍晋三政権を支えてきた草の根右派組織「日本会議」のホームページに、九月七日付でこんなコメントが掲載された。自民党も当初「関係」を否定するのに似た表現を使ったが、「ごまかし」と不信を買い火に油を注いでしまった。日本会議は大丈夫か。確かに役員や構成団体に表立って名前を連ねることはなかったかもしれないが、運動の現場で「共闘・連帯・連携」が全くなかったという主張は苦しい。多少とも右派運動の歴史を知る者は首を傾げるはずだ。証言や記録はいくつもある。
　例えば朝日新聞で長年、右派全般を専門にしている藤生明編集委員が新聞連載に加筆した著書『ドキュメント日本会議・・・