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経済

そごう・西武「売却難航」の内幕

セブン&アイに響く「不協和音」

2022年10月号

 セブン&アイ・ホールディングスが進めている百貨店子会社、そごう・西武の売却が予定より遅れている。ソフトバンクグループ傘下の米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループに優先交渉権を与えたものの、八月末という優先交渉権の期限内に合意することはできなかった。「夏のうちに発表までこぎつける」(セブン&アイ関係者)という当初の目論見は崩れた。
「会社側から判断に足る説明が何もない。こんなのOK出せるわけがない」。セブン&アイの社外取締役の一人はこう憤る。会社側は八月までの発表を目指して七月初旬にフォートレスに優先交渉権を与えたが、その後の交渉は取締役会にほとんど知らされていない。
 徹底した情報管理と言えば聞こえはいいが、「その実態は隠ぺい以外の何物でもない。交渉部隊は悪い情報を取締役らに出さないで勝手に物事を進めている」。セブン&アイ関係者はこう声を潜める。黒幕として蠢いているとされるのが、交渉役トップを務めている小林強執行役員だ。
 どこかで聞き覚えのある名前だと思った方がいるかもしれない。そう、セブン&アイが満を持して導入したはずだったキャッシ・・・