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ミャンマーで進む「シリア化」

軍政の暴虐と強まる「ロシア依存」

2022年10月号

 一年八カ月前にクーデターが起きたミャンマーで国軍と抵抗勢力の内戦が激化し、経済や社会が混乱を極めている。日用品の価格は倍以上となり、反対勢力を制圧できない焦りから国軍は民間人の殺害や放火などの残虐行為に手を染める。「このままでは、シリアのような破綻国家になってしまう」(エコノミスト)と悲鳴が上がる。ロシアによるウクライナ侵攻の陰に隠れ、国際社会の関心が薄れる中、ミャンマーの悲劇は続く。
 湖のほとりにある欄干だろうか。その下に無造作に脱ぎ捨ててある赤いサンダルを写した写真が本誌編集部に届いた。将来を悲観し身を投げた人の遺品という。最大都市ヤンゴンでは自殺者が急増している。
「日を追うごとに国民の生活は苦しくなっている。国内で希望を失った若者たちは海外に活路を求め、隣国のタイなどへ違法に国境を越えている。ヤンゴンでは自殺や犯罪が急増しており、白昼に街中で強盗に遭うこともある」。ヤンゴンで暮らす男性は声を潜める。
 ミャンマー中央銀行は米ドルと現地通貨チャットの公定レートを一ドル=二千百チャットと固定しているが、闇市場では一時四千チャット超まで急落した。国内・・・