寒冷地帯で湧き出す 「温暖化ガス」
森林火災「永久凍土」氷解の脅威
2022年10月号
地球温暖化の現象が世界中で顕著になる中、最も厄介な森林火災がロシアのシベリア、カナダ、米アラスカ州で起きている。
「ツンドラ(寒地荒原)」と呼ばれる永久凍土や、その南に位置するタイガ(針葉樹林)の火災が増えて、地中に眠っている炭素が一気に地上に放出されている。
ツンドラとタイガを合わせた北方地帯は、地球全体の炭素の一割以上を地中に眠らせている。放出が本格化すれば、世界各国が進める温暖化対策は完全に無意味になる。
今年は特に、ロシアのウクライナ侵攻によって、シベリアに関する情報が世界中の研究者に全く伝えられていない。近年の傾向から見て、シベリアの北方林は極めて憂慮すべき状況にある。
削減努力を帳消しに
アラスカ州は日本全土の面積と比べ四・五倍もの広大な土地を持つ。だが同州には、七十万人しか住んでいない。森林火災の大半は無人地帯で起きる。
今年七月、都市部に近い地区で起きた火災でも、三週間ほどで三百平方キロメートルが焼失したが、避難したのは百六十世帯ほどだった。日・・・
「ツンドラ(寒地荒原)」と呼ばれる永久凍土や、その南に位置するタイガ(針葉樹林)の火災が増えて、地中に眠っている炭素が一気に地上に放出されている。
ツンドラとタイガを合わせた北方地帯は、地球全体の炭素の一割以上を地中に眠らせている。放出が本格化すれば、世界各国が進める温暖化対策は完全に無意味になる。
今年は特に、ロシアのウクライナ侵攻によって、シベリアに関する情報が世界中の研究者に全く伝えられていない。近年の傾向から見て、シベリアの北方林は極めて憂慮すべき状況にある。
削減努力を帳消しに
アラスカ州は日本全土の面積と比べ四・五倍もの広大な土地を持つ。だが同州には、七十万人しか住んでいない。森林火災の大半は無人地帯で起きる。
今年七月、都市部に近い地区で起きた火災でも、三週間ほどで三百平方キロメートルが焼失したが、避難したのは百六十世帯ほどだった。日・・・