イタリアのシルビオ・ベルルスコーニ元首相と言えば、「女性問題」である。数々の浮気、破廉恥なパーティー、女性蔑視発言などだ。美女を見ると、あきれるほど相好を崩して、賛辞を浴びせる。
　彼には別種の女性問題もあった。首相として、女性閣僚の起用が他の欧州諸国に比べ極端に少なく、しばしば野党の攻撃を受けた。
　そこで二〇〇八年の総選挙で勝利し、首相に返り咲いた後、「どうだ！」と四人の女性大臣（副大臣級も含む）起用を発表した。
　イタリア国民は驚いた。全員がスタイル抜群の美女だったからだ。中でも、二度目の入閣で環境相に起用されたステファニア・プレスティジャコモは、「ミス国会」の誉れが高かった。
　この中で最年少（三十一歳）だったのが、青年相メローニである。彼女の政治人生は、「ベルルスコーニの女たち」として始まった。
　これは、その後の経歴には大いにプラスだった。「悪名は無名に勝る」の格言通り、あっという間に抜群の知名度を獲得したのだ。
　しかも彼女の所属政党・国民同盟は、ネオ・ファシスト政党「イタリア社会運動」の後継政党で、「古臭い」・・・