中国の超巨大ネット市場に、日本人のインフルエンサーたちが進出し始めている。カネの匂いはするものの、危うさもありそうだ。
　経済産業省のレポート「電子商取引に関する市場調査」によると、二〇二〇年時点で中国国内のネット商取引の市場規模は二兆二千九百七十億ドル。米国の約八千億ドルの三倍近く、日本の約一千四百億ドルとは桁違いだ。
　中国の消費者がネット上で商品を買う際に参考にするのが、「網紅（ワンホン）」と呼ばれるインフルエンサーたちだ。
「同じような商品が溢れる中国市場では、自分のお気に入りの網紅が勧めてくれることが、購入を決める重要な判断要素になる。売る側にとって、中国でインフルエンサーをＰＲに使うメリットは日本以上かもしれない」
　こう指摘するのは中国にも駐在経験がある大手広告代理店幹部だ。中国の広告市場の中でも、特に熱いジャンルだという。
　若い女性に人気なのはやはり化粧品や美容用品で、特に広告効果が大きい。新型コロナウイルスの感染拡大前に、中国の訪日観光客が爆買いしていたものだ。
「最近はテレビＣＭを流す代わりに、中国版イ・・・