八月二十一日午後五時三十五分、首相官邸記者クラブに登録されている記者らの連絡メールに長い表題の付いた通知が届いた。
「岸田総理大臣が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたことについて」
　それによると、岸田文雄に微熱と咳の症状が出たのが二十日夕、二十一日午前にＰＣＲ検査を受け、午後に陽性が判明した。岸田には同情の声が出なかった。感染に至る経過から、一国のリーダーと思えない“軽さ”が伝わったからだ。
　八月十五日の全国戦没者追悼式に出た後には早くも休みモードに突入。東京・八重洲の書店で本を購入。夜には家族と東京・神宮前の鉄板焼き店「表参道うかい亭」で夕食。十六日は待ちかねたように茨城県つくばみらい市のゴルフ場「取手国際ゴルフ俱楽部」で家族とゴルフ。岸田が“らしさ”を出したのはコースを回るに当たって東京・赤坂のゴルフ練習場で肩慣らしをしていることだ。サラリーマンが休日ゴルフに備えて打ちっぱなしに行く姿を彷彿とさせる。
　十七日からの伊豆への旅行はＪＲ東日本の「大人の休日俱楽部」のツアー旅行の・・・