米中が「ネットの自由」で攻防戦
国家統制「推進」が主流になる窮地
2022年9月号
国際電気通信連合(ITU)と言えば、十九世紀に設立された国際機関の名門だ。現在でも、世界中の通信業務の標準化や国際電話の接続調整など、とても重要なことを扱っているが、国際政治の争点になることはなかった。
ところが近年、中国やロシアなどの独裁・権威主義諸国が、「インターネットの標準化」を名目に、ネット規制の世界的強化を言い出したため、「そんなことは断じて認められない」とする西側各国との対立が先鋭化している。
今年は四年に一度の事務総局長改選に当たり、中国が推すロシア人候補と、西側が推す米国人候補の一騎打ちとなっている。
事務総局長選びは、九月二十六日にルーマニアの首都ブカレストで始まる「全権委員会議」(十月十四日まで)で行われる。創設から百五十七年を経た、国際機関の老舗中の老舗の分裂もあり得る。「今年世界で一番重要な選挙」(業界関係者)として、各国政府やIT業界から熱い視線を集めている。
ネット検閲の世界標準化を狙う
ITUのトップは現在、中国人の趙厚麟・事務総局長。三選・・・
ところが近年、中国やロシアなどの独裁・権威主義諸国が、「インターネットの標準化」を名目に、ネット規制の世界的強化を言い出したため、「そんなことは断じて認められない」とする西側各国との対立が先鋭化している。
今年は四年に一度の事務総局長改選に当たり、中国が推すロシア人候補と、西側が推す米国人候補の一騎打ちとなっている。
事務総局長選びは、九月二十六日にルーマニアの首都ブカレストで始まる「全権委員会議」(十月十四日まで)で行われる。創設から百五十七年を経た、国際機関の老舗中の老舗の分裂もあり得る。「今年世界で一番重要な選挙」(業界関係者)として、各国政府やIT業界から熱い視線を集めている。
ネット検閲の世界標準化を狙う
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