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経済

《地方金融の研究》塩沢信用組合(新潟県)

「過疎地」に進出は蛮勇か

2022年9月号

 総面積二百七十一・六六平方キロメートル。東京ディズニーリゾートのおよそ百三十六倍にもなる広大なエリアに世帯数わずか七百九十一世帯、人口一千六百六十六人(二〇二二年七月一日現在)。そんな典型的ともいえる過疎の村に金融機関が新たに進出してくると聞けば、地元住民ならずとも目が点にならずにはいられまい。
 しかも一帯は日本有数の豪雪地帯だ。冬場の積雪は七メートルを超すこともざら。「七月初旬まで積雪が残っていることもある」(地元関係者)といわれ、村の中心であるJR飯山線森宮野原駅で戦中の一九四五年二月十二日に記録した七・八五メートルは、JRが所管する駅での最高積雪記録として今も残る。
 新潟県と群馬県の県境に位置し、長野県最北端の村でもある下水内郡栄村―。新潟県境を越えると「信濃川」と名を変えやがて日本海に注ぐ「千曲川」が村内を蛇行して流れる美しい村だ。その景観や生物多様性から朝日新聞社などが主催する「にほんの里百選」にも選ばれているが、「産業」と呼べるものと言えば農業と観光くらいのものだ。
 そんな“寒村”に六月二十一日開催した総代会で定・・・