「サハリン2」謀略の真相
日本大停電の「引き金」となるか
2022年8月号
首相官邸、経済産業省の狼狽ぶりはいったい何なのか―。
「ロシアを刺激するな!」
こう箝口令を布く幹部たちは、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンの“鬼面人を嚇す”術策に見事にはまったと言っていい。それを象徴する出来事が参議院選挙の最中に起きた。
七月三日、街頭演説に立った首相・岸田文雄は、ロシア産原油について「今の価格の半分程度に上限を定め、それ以上では買わない仕組みをつくっていく」と不用意に語り、失策を犯した。発言は六月のG7(主要七カ国)サミットで合意した輸入価格の上限設定、すなわちロシアの外貨獲得を抑制する手段に触れたものだが、岸田はまるでG7合意を主導するかのように「半分」と口走ったのだ。ロシアの反応は早かった。
「日本はロシアから石油もガスも入手できなくなる。サハリン2には参画できないだろう」
極東ロシアのLNG(液化天然ガス)開発プロジェクト「サハリン2」―。その権益をもつ三井物産、三菱商事の排除を仄めかす前大統領ドミートリー・メドヴェージェフの恫喝以来、官邸、経産省はロシア情報を一切出さなくな・・・
「ロシアを刺激するな!」
こう箝口令を布く幹部たちは、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンの“鬼面人を嚇す”術策に見事にはまったと言っていい。それを象徴する出来事が参議院選挙の最中に起きた。
七月三日、街頭演説に立った首相・岸田文雄は、ロシア産原油について「今の価格の半分程度に上限を定め、それ以上では買わない仕組みをつくっていく」と不用意に語り、失策を犯した。発言は六月のG7(主要七カ国)サミットで合意した輸入価格の上限設定、すなわちロシアの外貨獲得を抑制する手段に触れたものだが、岸田はまるでG7合意を主導するかのように「半分」と口走ったのだ。ロシアの反応は早かった。
「日本はロシアから石油もガスも入手できなくなる。サハリン2には参画できないだろう」
極東ロシアのLNG(液化天然ガス)開発プロジェクト「サハリン2」―。その権益をもつ三井物産、三菱商事の排除を仄めかす前大統領ドミートリー・メドヴェージェフの恫喝以来、官邸、経産省はロシア情報を一切出さなくな・・・