《罪深きはこの官僚》井藤英樹(金融庁企画市場局長)
危うい新利権「金融教育」を推進
2022年8月号
金融庁と証券業界のあっと驚く協力関係が浮上している。金融庁はこの業界の悪質な営業姿勢などを問題視し、「顧客本位に外れている」と苦言を呈し続けてきた。それが、批判してきた相手と手を結ぶというのだ。陣頭指揮を執っているのが新たに企画市場局長に就任した井藤英樹(一九八八年旧大蔵省入省)である。この動きには、カラクリがあると噂されている。
なんとも離れ業的な協調路線の導火線となったのは、岸田文雄政権が打ち出した資産所得倍増プランである。当初の所得倍増からの修正だが、威勢の良い倍増という言葉は残った。浮上したのが少額投資非課税制度、NISAの拡充と恒久化である。現在の上限金額を大幅に引き上げるとともに、時限措置である同制度を半永久的なものに変えるというのだ。
資産所得倍増プランについて金融庁は寝耳に水の立場だった。官邸主導で構想が練られたからだ。金融庁はその間、蚊帳の外に置かれていた。挽回すべく、七月の人事異動で新体制になった金融庁が動きだした。白羽の矢が立ったのが井藤だった。企画市場局は政策の立案部隊である。前職で政策立案総括審議官を務めていた井藤のキャリアからすると・・・
なんとも離れ業的な協調路線の導火線となったのは、岸田文雄政権が打ち出した資産所得倍増プランである。当初の所得倍増からの修正だが、威勢の良い倍増という言葉は残った。浮上したのが少額投資非課税制度、NISAの拡充と恒久化である。現在の上限金額を大幅に引き上げるとともに、時限措置である同制度を半永久的なものに変えるというのだ。
資産所得倍増プランについて金融庁は寝耳に水の立場だった。官邸主導で構想が練られたからだ。金融庁はその間、蚊帳の外に置かれていた。挽回すべく、七月の人事異動で新体制になった金融庁が動きだした。白羽の矢が立ったのが井藤だった。企画市場局は政策の立案部隊である。前職で政策立案総括審議官を務めていた井藤のキャリアからすると・・・