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ドイツが原発ゼロ政策「見直し」へ

「脱ロシア依存」左派与党の決断

2022年8月号

 ドイツの脱・原子力発電計画が大きな転機を迎えた。
 今年末で現在稼働中の三基の原発の稼働を停止し、「原発ゼロ」にする予定だったが、ロシアによるウクライナ侵攻と、対ロシア制裁導入により、ドイツのエネルギー供給に大きな不安が生じた。
 野党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)は「稼働継続」を求め、連立与党の一角である自由民主党(FDP)もこれに同調している。「原発ゼロ」を看板にしてきた緑の党とオラフ・ショルツ首相は、決断を迫られている。
 猛暑のドイツでは今年、「七月二十一日」が運命の日となった。
 ドイツに天然ガスを供給するロシアのガスプロム社が、パイプラインの定期点検を終える日だった。同社はこの十日前に「点検のため」として供給を止めた。供給が再開されるのか否か。ドイツ全土は異様な緊張に包まれた。
 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、エネルギー供給を国際政治の切り札として使うのは、ドイツ国内ではよく知られている。適当な口実をつけて、一方的に契約不履行を言い出すのは、ロシアの常とう手段だ。
 二十一日のガス供給再開で・・・