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米政界を蝕む「超高齢化」

日本以上の「老人支配」が横行

2022年8月号

 米国政治の高齢化が著しい。
 史上最高齢のジョー・バイデン大統領は、今年十一月に八十歳になる。八十二歳のナンシー・ペロシ下院議長、八十歳のミッチ・マコネル共和党上院院内総務とともに、米政治の最重要人物がそろって八十代になる。
 仮に次の大統領選で、共和党候補がドナルド・トランプ前大統領になれば、七十八歳での再挑戦だ。次の大統領選が「バイデン対トランプ」の再戦となれば、もちろん米国史上最高齢対決である。
 バイデン大統領は七月下旬、新型コロナウイルス感染が確認された。記録破りで働き続ける政治家たちに「さすがにもう辞めてはどうか?」との声が増えている。
 高級誌「アトランティック」のベテラン政治記者、マーク・リーボビッチ氏が今年六月、「バイデンが再出馬すべきでない理由」をズバリ指摘した。仮に二期連続して務め上げれば、退任時に八十六歳になっているからだ。
「彼はもう年をとり過ぎた」と同氏は指摘し、良い後継者が選ばれるためにも、早めに不出馬を決断するよう求めた。
 同時期に「ニューヨーク・タイムズ」紙も、「五十人の民主党議員、高官に・・・