《世界のキーパーソン》ジャン=リュック・メランション(「不服従のフランス」党首)
混沌の仏政界「反抗のシンボル」
2022年7月号
六月十九日のフランス下院選の決選投票で、エマニュエル・マクロン大統領の中道与党連合を過半数割れに追い込んだ。
西欧で左翼衰退が目立つ中、「マクロンを追い詰めろ」と、社会党や環境政党をまとめて「新人民連合環境・社会(ニュープス)」という左翼政党連合を作り、現状に不満を抱く層の票をごっそりさらった。メランション自身は出馬しなかったが、左派各党はすっかりこの人の魔術に乗った。
彼が率いる政党の名前「不服従のフランス」が、政治姿勢を物語る。グローバリズム、新自由主義、大企業、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)などなど、あらゆるエスタブリッシュメントに、とにかく反対するのだ。
在欧大手紙特派員は、「孫のような年齢の若い有権者が夢中になっている。超エリートのマクロン大統領とは真逆の、反抗のシンボルになった」と言う。
マクロンが濃紺の高級スーツとネクタイを定番にするのに対して、メランションはノータイで、崩れた左翼知識人風のいでたちである。今年四月の大統領選では、第一回投票で二二%を集めて三位だった。二位の極右マリーヌ・ルペンに四十万票ほど・・・
西欧で左翼衰退が目立つ中、「マクロンを追い詰めろ」と、社会党や環境政党をまとめて「新人民連合環境・社会(ニュープス)」という左翼政党連合を作り、現状に不満を抱く層の票をごっそりさらった。メランション自身は出馬しなかったが、左派各党はすっかりこの人の魔術に乗った。
彼が率いる政党の名前「不服従のフランス」が、政治姿勢を物語る。グローバリズム、新自由主義、大企業、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)などなど、あらゆるエスタブリッシュメントに、とにかく反対するのだ。
在欧大手紙特派員は、「孫のような年齢の若い有権者が夢中になっている。超エリートのマクロン大統領とは真逆の、反抗のシンボルになった」と言う。
マクロンが濃紺の高級スーツとネクタイを定番にするのに対して、メランションはノータイで、崩れた左翼知識人風のいでたちである。今年四月の大統領選では、第一回投票で二二%を集めて三位だった。二位の極右マリーヌ・ルペンに四十万票ほど・・・