がん「個別化医療」の劇的進歩
「膵臓」治療でも高まる期待
2022年7月号
がん治療が新時代に入ろうとしている。画期的な免疫治療薬の開発が相次ぎ、これまで治療が難しかった症例でも命が救えるようになってきた。免疫チェックポイント阻害剤のオプジーボはよく知られているが、ここ数年で新たな治療法が次々と成果を上げている。最先端の研究では、患者一人ひとりのがんゲノムを特定して、その人だけに効く、究極のオーダーメイド治療が現実になりつつある。
オプジーボは二〇一八年にノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑・京都大学特別教授が発見した分子を元に開発されたがん治療薬だ。一四年七月、世界に先駆けてわが国で承認された。
それから八年、もっと強力な、次世代の免疫チェックポイント阻害剤が登場している。関係者を驚かせたのは六月五日、米『ニューイングランド医学誌』に掲載された、英グラクソ・スミスクラインが開発したドスタルリマブの第二相臨床試験だ。ミスマッチ修復遺伝子が欠損した局所進行性直腸がん患者十二人に投与すると、全員の腫瘍が消失した。追加治療なしでも六〜二十五カ月の観察期間中に誰も再発しなかった。こうなると進行がんの根治も夢ではない。
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オプジーボは二〇一八年にノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑・京都大学特別教授が発見した分子を元に開発されたがん治療薬だ。一四年七月、世界に先駆けてわが国で承認された。
それから八年、もっと強力な、次世代の免疫チェックポイント阻害剤が登場している。関係者を驚かせたのは六月五日、米『ニューイングランド医学誌』に掲載された、英グラクソ・スミスクラインが開発したドスタルリマブの第二相臨床試験だ。ミスマッチ修復遺伝子が欠損した局所進行性直腸がん患者十二人に投与すると、全員の腫瘍が消失した。追加治療なしでも六〜二十五カ月の観察期間中に誰も再発しなかった。こうなると進行がんの根治も夢ではない。
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