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経済

トヨタを蝕む「サイバー汚染」

隠蔽されるアイシンの「情報漏洩」

2022年7月号

 トヨタ自動車が、サイバー攻撃者に狙われている。
 今年三月、トヨタの自動車部品を供給する主要取引先の小島プレス工業がランサムウェア(身代金要求型ウィルス)攻撃を受け、操業を停止した。これによって、トヨタは日本国内の工場すべてを停止せざるを得なくなり一万三千台が生産できない事態になった。
 このニュースは、ちょうどロシアのウクライナ侵攻で日本が対ロ経済制裁を決めた後だったこともあり、大々的に報じられた。事情に疎い一部の専門家からは、ロシアのハッカー集団との関係を指摘する声も上がった。しかし、ことはそんな短絡的な話ではない。
 日本のサイバー戦略を中心的に担う内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)の幹部は、「小島プレスを攻撃したのは、ロシアではなく中国のサイバー攻撃集団だと見ている。ウクライナ侵攻は関係ない」と言う。「実はトヨタについては、他にもいくつもの不穏なサイバー攻撃が発生している」。
 小島プレスへの攻撃では、ランサムウェアが使われたのに身代金の要求すらなかった。目的は「トヨタの操業妨害」や「供給網の混乱」だった可能性が高い。
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