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中印「ヒマラヤ紛争」が再過熱

習近平「膨張主義」の次なる標的

2022年7月号

 中国とインドが領有権を争うヒマラヤのパンゴン湖で、中国が今年に入って次々と橋を建設した。大型の軍用車両も通行できるようになり、係争地帯での中国軍の移動時間が大幅に短縮された。インド政府は、「断じて認められない」と強く反発し、新たな軍事衝突の危険が増している。
 中印国境の周辺一帯では、ウランや金など貴重な鉱物資源が眠ることも確認され、中国は支配地域のさらなる拡大を視野に入れている。外交関係者の間では、「中印関係は『冷戦』より悪い状態」との見方が強まっている。
 橋の造られたパンゴン湖は、水面が標高四千二百メートル以上に位置する、天空の湖だ。インド北部ラダック地方と中国チベット自治区にまたがる場所にあり、全長は百五十キロメートル。現在の実効支配線はこの湖を通っている。
 二つの橋が建設されたのは、湖の幅が最も狭くなっている地点だ。実効支配線から二十キロメートルほど東(中国側)にあるが、インドにとっては「中国が不法に支配している」と見なす場所にある。
 一月に最初の橋の建設が確認され、春になって、より頑丈な二番目の橋が造られた。大型軍事車両が通行で・・・