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政治

岸田の頭は「選挙」だけ

国政より「長期政権」が最優先

2022年6月号

 横綱照ノ富士の優勝で幕を閉じた大相撲夏場所は久しぶりに観客上限が緩和され、表彰式も従来の形式に戻った。君が代斉唱、天皇賜杯、優勝旗の授与に続いて内閣総理大臣杯授与式へ。過去の例では現職首相が土俵に上がり、助けを借りながら重い総理大臣杯を授与する光景はすっかり定着している。小泉純一郎が二〇〇一年の夏場所で横綱貴乃花に「痛みに耐えてよく頑張った。感動した」と声を張り上げたフレーズは今も語り草だ。相撲好きの元首相安倍晋三は在任中三度も夏場所に足を運び表彰式に臨んでいる。
 しかし、五月二十二日の千秋楽に首相岸田文雄の姿はなく、代理で土俵に上がったのは官房副長官の磯㟢仁彦(参院・香川)だった。東京都選出で同じ副長官の木原誠二が順当だったが、岸田は自分も含めて人選に迷った挙げ句に磯㟢を指名した。偶然にも千秋楽と米大統領ジョー・バイデンの来日が重なったこともあったのだろう。周辺にこう語っている。
「磯㟢さんは七月の参院選が控えている。参院選最優先だ」
 とにかく今の岸田の頭の中には参院選しかない。この参院選をクリアすれば安倍と同様、長期政権への足掛かりを掴むことに繋・・・