日本の科学アラカルト 142
究極に正確な一秒を測る 光格子時計の研究
2022年6月号
四月二十二日、国立研究開発法人「情報通信研究機構(NICT)」が、ある発表を行った。NICTが開発した光格子時計が、史上最高精度で、協定世界時(UTC)の一秒の正確さを評価できることを実証したというもの。協定世界時とは、国際的な時刻系であり、世界各地の標準時の基準となるものだ。平たく言えば、時間の基準であり、これにより世界の時間が定義されている。
ではUTCの一秒とはなにか。そもそも一秒という時間はどう定義されているのだろう。
かつて一秒は地球の自転を基準に定義されていた。地球は一日に一回転する。一日は八万六千四百秒なので、地球が一回転する時間の八万六千四百分の一が一秒ということになる。しかし、自転周期は一定ではないため、次に採用されたのは地球の公転周期だ。
さらに一九六〇年代から採用されたのが原子時計による定義だ。原子に電磁波(光)を当てると状態が変化する。特定の周波数の電磁波を当てるとエネルギー状態が高くなる(励起する)ことが知られている。この周波数を「共鳴周波数」と呼び、原子ごとに固有の数字を持っている。
現在の一秒の定義に使われ・・・
ではUTCの一秒とはなにか。そもそも一秒という時間はどう定義されているのだろう。
かつて一秒は地球の自転を基準に定義されていた。地球は一日に一回転する。一日は八万六千四百秒なので、地球が一回転する時間の八万六千四百分の一が一秒ということになる。しかし、自転周期は一定ではないため、次に採用されたのは地球の公転周期だ。
さらに一九六〇年代から採用されたのが原子時計による定義だ。原子に電磁波(光)を当てると状態が変化する。特定の周波数の電磁波を当てるとエネルギー状態が高くなる(励起する)ことが知られている。この周波数を「共鳴周波数」と呼び、原子ごとに固有の数字を持っている。
現在の一秒の定義に使われ・・・