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WORLD

英国政界を腐らす「オックスフォード卒」

ジョンソンと「仲間たち」の素性

2022年6月号

 世界最高のエリート大学はどこだろうか?
 国の最高権力者を輩出したことで見れば、英オックスフォード大学が群を抜く。第二次世界大戦後で見ると、首相は十一人。マーガレット・サッチャー首相(一九七九年就任)以降に限れば、過去四十三年のうち三十四年にわたり、同大学卒の五人の首相が治めた。
 東京大学はもとより、米国のハーバード大学やフランスの国立行政学院(ENA)をも凌ぐ独占ぶりだ。一方で「これこそ英国の問題の元凶」とする指摘も増えている。
 五月下旬、英民放「ITVニュース」が、衝撃的な映像を入手した。新型コロナウイルスのロックダウン期間中に、ボリス・ジョンソン首相が複数の側近を前に、「乾杯!」とグラスを掲げている映像である。BBCもただちに追いかけ、ジョンソン首相は質問攻めにあった。ふだんは威勢のいい首相も、「その件はコメントを差し控える」と逃げ回った。
「パーティーゲート」と呼ばれるスキャンダルは、厳しい規制下にあった二〇二〇~二一年に、首相官邸(ダウニング街十番地)などでたびたびパーティーが行われ、首相を筆頭に政府高官が多数出席していたというも・・・