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バイデンに迫る「大統領弾劾」

次男に重大な「ウクライナ疑惑」

2022年6月号

 米国のジョー・バイデン大統領に対して、「大統領弾劾」のシナリオが共和党内で進行中だ。今年十一月の中間選挙では、上下両院ともに野党共和党が過半数を制する模様で、ドナルド・トランプ前大統領の周辺は、「バイデン弾劾にただちに動け」と指令している。
 大統領は経済政策で苦闘しているものの、ロシアによるウクライナ侵攻への対応では超党派の支持を受ける。「弾劾」に当たるような失策はないように見えるが、大統領の家族が、そのウクライナをめぐり重大な疑惑を抱えている。

「ハンターを追いかけろ」

「今後の政局の行方は、三つの言葉に要約される。ハンター・バイデン、ハンター・バイデン、ハンター・バイデンだ」
 共和党の戦略担当者が五月、内輪の会議でこんなふうに米政治の見通しを語った。ハンター氏は大統領の次男で、今年五十二歳になった。この人物のどこに、大統領を権力の座から引き下ろすほどの問題があるのだろうか。
 一つのヒントは、ワシントンのホワイトハウスから、二キロメートルほど西にいった、ポトマック川のほ・・・