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社会・文化

戦争で急拡大する「遺伝子操作作物」

ウクライナは米国の新たな「食糧利権」に

2022年5月号

 ウクライナ戦争が始まって以来、「正義のゼレンスキー」対「悪の権化プーチン」の構図で報道が繰り返されるが、ウクライナ国内も一枚岩ではない。積極的な情報発信で愛国心に働きかけ、求心力を高めているゼレンスキー大統領だが、政権内にかすかな不協和音が響いた。重要閣僚であるレシチェンコ農業食料相の突然の辞任だ。
 三月下旬に、ソルスキー最高会議(国会)農業・土地政策問題委員会委員長と交代し、直後に同省次官も辞任した。この経緯はほとんど報道されていないが、共同通信グループの農業専門サイト「めぐみネット」が「ウクライナ農政のミステリー」という記事(四月十九日付)の中で、岡部芳彦神戸学院大学教授の話として伝えている。
 同教授によると、前農業食料相に関しては昨年に暗殺未遂事件もあり、背景にはウクライナの大規模な農地改革があるという。後任のソルスキー農業食料相は、農地譲渡の自由化の主導者だ。

ウクライナ財閥の腐敗と「暗躍」

 東西冷戦の終了後、ロシアと同様にウクライナの農業部門は生産性を飛躍的に高め有力な穀・・・