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経済

猛威振るう「議決権行使助言会社」

日本企業を評定する「米法人」の実像

2022年5月号

「うちの会社のことなんてろくにわかっていないくせに、本当に腹が立つ」。富士ソフトの幹部はこう憤る。怒りの矛先は、米議決権行使助言会社のインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)だ。ISSの影響力が近年、格段に増している。勝手に株主総会の議案を〇×判定されることへの上場企業側の不満が増幅している。
 富士ソフトの大株主であるシンガポールの資産運用会社、3Dインベストメント・パートナーズが三月に行われた株主総会で出した株主提案に、ISSは「賛成」するよう推奨した。3Dの代表ら社外取締役二人を選任するよう求めた株主提案に富士ソフトは反対を表明していた。株主提案を阻止しようと、富士ソフトは株主に必死に働きかけ、やっと否決に持ち込んだが、ISSに対して腹の虫は治まらない。
 ISSは注目された東芝の三月の臨時株主総会でも、会社提案の二分割案に対して「反対」を推奨した。推奨通り提案は否決された。
 昨年の株主総会で総会を完全にオンラインで開催できるよう提案したアイ・アールジャパンホールディングスも、ISSから株主と経営陣の有意義な交流・・・