《罪深きはこの官僚》上原淳( 国土交通省鉄道局長)
リニア工事 「事故頻発」を放置
2022年5月号
四月十五日、長野県内のリニア中央新幹線の工事現場で事故が発生した。作業員の男性が鉄板と工具の間に手を挟まれて骨折したという。現場は伊那山地トンネルの坂島工区。ここでは、昨年十一月と今年三月にも事故が発生している。同一現場で、半年ほどの間に三回も事故が起きるのは異常だ。長野県は、工事の発注者である東海旅客鉄道(JR東海)を批判するが、国土交通省の責任も極めて重い。JR東海の甘い再発防止策を容認しているからだ。責任を問われるべきは、同省鉄道局の局長、上原淳である。
鉄道局が新幹線建設工事を厳しく監督するのは、法律に基づく国の事業だからである。進捗が遅れた北陸新幹線の場合、国交省は工事を担う鉄道・運輸機構のトップの首を切るという強硬手段に出ている。リニアの場合、これまでの新幹線とは少し事情が異なる。建設費を国や自治体ではなくJR東海が負担しているからだ。しかし、上原がJR東海への指導・監督を緩めていい理由にはならない。
リニアも全国新幹線鉄道整備法で定められた路線だ。また、工事主体はJR東海だが、同社には実際に現場を監理する能力はないため鉄道・運輸機構に委託している・・・
鉄道局が新幹線建設工事を厳しく監督するのは、法律に基づく国の事業だからである。進捗が遅れた北陸新幹線の場合、国交省は工事を担う鉄道・運輸機構のトップの首を切るという強硬手段に出ている。リニアの場合、これまでの新幹線とは少し事情が異なる。建設費を国や自治体ではなくJR東海が負担しているからだ。しかし、上原がJR東海への指導・監督を緩めていい理由にはならない。
リニアも全国新幹線鉄道整備法で定められた路線だ。また、工事主体はJR東海だが、同社には実際に現場を監理する能力はないため鉄道・運輸機構に委託している・・・