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政治

政治家とメディア 「癒着」の宿痾

朝日記者も「安倍顧問」を務める時代

2022年5月号

 長年の「反自民」論調を好む根っからの朝日新聞読者は、びっくり仰天したことだろう。
 何しろ新聞協会賞とボーン・上田記念国際記者賞という業界の「二大賞」を両方とも受賞した〝敏腕〟記者・峯村健司が、こともあろうに朝日の宿敵である元首相、安倍晋三の「顧問」を名乗り、「週刊ダイヤモンド」の編集権に介入しようとしたのだから。
 それだけではない。安倍の覚えめでたい彼は、今夏の参院選で、東京選挙区から自民党公認候補として出馬していたかもしれなかったのである。
 自民党幹部は次のように証言する。
「東京選挙区の二人目の候補として、真剣に検討したのは事実だ。結局、知名度と女性優先で生稲晃子に決まったが、かなりいい線までいっていた」
 朝日記者と政権与党との「親密な関係」は彼に始まったわけではない。
 古くは、朝日で編集局長や主筆を務め、自由党総裁を経て、一九五五年の自民党結党時は初代総裁の呼び声が高かった緒方竹虎、経済部記者から政界に転身し、自民党の大幹部となった河野一郎、河野の側近として朝日社内で権勢を誇り、テレビ朝日(当時はNET)に転・・・