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中央アジアで プーチンに「反旗」

資源大国カザフとウズベクの真意

2022年5月号

 ロシアによるウクライナ侵攻に対して、中央アジアのカザフスタンとウズベキスタンが相次いで「ウクライナ支援」に動き、ウラジーミル・プーチン露大統領を怒らせている。
 中でもカザフスタンは今年初めの騒乱の際、ロシア軍の力を借りて反政府勢力を弾圧したばかりだ。プーチン政権や周辺からは「ウクライナの次はカザフスタン(侵攻)だ」「恩知らずの裏切り者」といった激しい非難が寄せられている。
 両国は多数のロシア系住民を抱え、ウクライナ同様にロシアの介入を懸念する。一方で、侵攻を契機にロシアの影響圏から脱し、資源大国として飛躍を図りたいという思惑も鮮明になってきた。
 カザフスタンの意向を最もはっきりさせたのは、ロマン・ワシレンコ同国外務次官が独日刊紙「ディ・ヴェルト」に語った言葉だ。
「(ロシアのウクライナ侵攻で)もし新しい『鉄のカーテン』が下ろされることになったら、わが国はその背後に置かれることを望んでいない」と同次官は語り、ロシアに巻き込まれるのはまっぴらごめんだとの思いを述べた。
 さらに、西側各国の制裁でロシアを去る西側企業に対して、「立派な・・・