三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月間総合情報誌

政治

安倍派「内紛前夜」の不穏

「角栄化」していく最大派閥会長

2022年4月号

 世耕弘成参院自民党幹事長が唐突に次期総裁選出馬の意向を表明した。BSテレ東の番組で三月二十日、同じ参院当選五回の経歴から昨年秋、衆院に転じた林芳正外相の先例を引き合いに出されると、あっさり意中を明かした。
「私はですね、政治家となった以上はチャンスがあれば、やっぱり国の舵取りをする、トップの立場っていうのはやってみたいなっていう思いはあります」。せっかちらしく、順序としてまず衆院鞍替えの話をするのでなしに、いきなり首相を目指すと明言。そこから逆算論法を展開したのだ。
「残念ながらこれ、憲法でいや法律で禁止されてるわけじゃなくて、参議院からもトップにはなれるはずなんですが、過去の前例がないというわけです。林さんは参院から衆院に移ってトップを目指す姿勢を示されました。私もチャンスがあれば、地元(和歌山県)の皆さんのご理解をいただければ、そういうことも考えていきたいなと思っています。円満な形でいければと思ってます」
 周知のように世耕氏の鞍替えに立ち塞がってきたのは二階俊博元幹事長(衆院和歌山三区)という巨大な壁だ。二階氏は岸田文雄政権で非主流派に転落、二月に・・・