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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》在日ロシア大使館

今こそ暗躍する「スパイ集団」

2022年4月号

 在日ロシア大使館が、SNSでウクライナへの侵略を正当化するプロパガンダをまき散らし、日本国内の世論工作に躍起だ。ロシアはこれまでも外交官などの立場を隠れ蓑に日本にスパイを送り込み、大使館を拠点に機密情報の収集や世論工作を画策してきた。しかし、ウクライナへの侵略後、鉄壁だったロシア大使館には亀裂が走っている。ミハイル・ガルージン駐日大使は他国の外交筋から精神状態を危惧されるほど荒れ、職員の間にも不協和音が響く。
「ガルージン大使は東京にある各国の大使館から成る外交団コミュニティの中でも完全に孤立しています。感情的に誰彼構わず喧嘩を吹っかける大使にロシア大使館職員も辟易していると噂になっています」
 某国の外交筋はそう声を潜める。
 ガルージン氏は前任地のインドネシア大使時代、ツイッターの発信が巧みで表彰されたが、今や昔。その国との友好協力を築くという大使館の任務を無視し、所構わず噛み付く「ロシア版・戦狼外交」に在京の大使館関係者の間では失笑が漏れている。

九階と十階が情報機関の「拠点」
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