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社会・文化

ラグビー協会「会長争い」が混迷

新リーグ「人気低調」の主犯は誰か

2022年4月号

「スピード感を持ってやっていきたい。とにかくやるしかない」
 二〇一九年七月、日本ラグビーフットボール協会の副会長に就任したばかりの清宮克幸氏は記者会見で意気込んだ。清宮氏はこの日、新リーグ設立構想を発表した。このときぶち上げた新リーグは、紆余曲折を経て今年一月に開幕した。ただし、当時清宮氏が思い描いていた姿とは程遠いものとして―。
 ラグビー協会では今、新リーグ発足までの内部でのゴタゴタが解決しないまま、新たな対立の火種が燻り始めた。その震源には、またしても清宮氏がいる。

“清宮会長阻止”の一派

「六月のヒゲ森さんの任期満了に向け、次期会長選びが進んでいる」
 協会の内情に詳しい、某チームの関係者はこう語る。“ヒゲ森”とは森重隆会長のこと。ラグビー業界で“森さん”といえば森喜朗元首相のことを指すため、この別称が使われる。W杯直前の一九年六月に前会長の岡村正氏が突如退任しヒゲ森氏と交代したのは、ラグビー界のド・・・