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連載

《世界のキーパーソン》クリスティーネ・ランブレヒト(ドイツ国防相)

ドイツ軍の変革が出来るか

2022年4月号

 北大西洋条約機構(NATO)の要の国、ドイツの国防相と言えば、国内でも一目置かれる。歴代経験者には、後に首相になったヘルムート・シュミットら戦後のドイツ史を彩った大物が並ぶ。
 二〇一三年からは、別の記録で注目される。現在の欧州委員会委員長ウルズラ・フォンデアライエン、アンネグレート・クランプ=カレンバウアー、そして今回のランブレヒトと、三代続けて女性が占めている。前任二人は保守の大物で、連邦軍幹部の評判も良かったが、今回の任命には制服組に当惑が見られた。
 ドイツの政治誌記者は、「オラフ・ショルツ首相は、『閣僚の男女同数』に向け四苦八苦した。最後は国防相ポストが残り、法務・消費者保護相だったランブレヒトが起用された。国防畑の経験がゼロで、社会民主党(SPD)左派の軍備縮小論者とあって、軍幹部はがっかりしたのだ」と言う。
 しかも本人は、「この年齢(現五十六歳)は、新しいキャリアに挑戦するのに最適だ」と、政界引退を表明したばかり。女性閣僚のコマ数を揃えたいショルツ首相に「まあまあ」と説得された上での、国防相就任だった。
 そこへウクライナ戦争が・・・