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邪悪さ増す「中露の枢軸」

「ロシアの狂気」を利用する習近平

2022年4月号特別リポート

 ウクライナ戦争への対応で失敗を重ねた中国の習近平国家主席が、危険な方向に傾いている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の孤立を救うため、戦闘終結への道を模索し始めたのだ。ウクライナへの露軍侵攻に対しては、なし崩し的に追認する様相だ。
 日米欧の民主主義陣営にとっては、中露の枢軸がこれまで以上に危険で、予測不可能になることを意味している。ウクライナ安定に向け「西側の結束強化」が、かつてなく喫緊の課題となった。
 中国共産党はかつて「反帝国主義」を原点にし、武力による領土変更に絶対反対だった。
 結党から百一年という、新世紀に入る節目の年に、なぜこんな赤裸々な帝国主義的武力行使を容認するのだろうか。浮かび上がるのは、習近平指導部の倫理観、歴史観の欠如であり、中国共産党の漂流ぶりだ。

「両国の友情に限界はない」

 ウクライナ侵攻から一カ月を経た三月二十三日。初めて変化の兆しを見せる出来事が、国連安全保障理事会で起きた。ロシアが「ウクライナの人権状況悪化に懸念」を示す決議案を提出した・・・