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ロシアは再び崩壊へと向かう

ボリス・アクーニン(ロシア人作家)

2022年3月号

 ―ロシア軍が遂にウクライナに侵攻しました。

 アクーニン プーチンがこんな不条理な戦争を始めるとは、当初は予想していなかった。私はいつも、最後には理性が勝つと信じていたが、狂気が勝った。ロシアは精神的に狂った独裁者に支配されている。ロシア国民はプーチンのパラノイアに従順になっている。流血の惨事に見舞われた、ウクライナが気の毒だ。

 ―ソ連崩壊から三十年で、ロシアとウクライナはすっかり決裂しました。

 アクーニン 歴史的、文化的、経済的にウクライナはロシアと深くつながっていた。プーチンは我々の最も近い親戚であったウクライナ人を宿敵にしてしまった。両国の絆が切れた今、クリミアとドンバス(ウクライナ東部)の問題は、プーチンが後世に残す最も重い負の遺産となるだろう。
 私はジョージア人だが、ソ連時代のモスクワで育ち、ジョージアの言葉や文化を知らない。しかし、ジョージアに親近感がある。二〇〇八年にロシアがこの小国に軍事力を行使し、一時占領したことも恥ず・・・