日本の科学アラカルト 139
より強く便利に進化する 新たな「アルミ合金」の開発
2022年3月号
アルミニウム(Al)は軽くて加工がしやすい金属として知られる。人類が古くから利用してきた鉄や銅などの金属と比較すると、歴史は浅く、十九世紀になってから量産化が始まった。
近年ではアルミを導電線に用いるケースも増えている。かつてアルミと銅の調達コストは同じ程度だったが、最近はアルミが銅の三分の一程度で推移している。銅の高騰も一因だが、これによって各種ケーブルのコストは電力会社などにとって重荷になっている。これを、アルミを使ったケーブルで代替しようというのだ。ご存じの通りアルミは銅に比べて電気抵抗が大きい。しかしそれはケーブルの断面を大きくすることでクリアできる。そして、銅製ケーブルより太くしても、三〇%も軽いことが大きなメリットになる。そのため電力会社の導電線だけでなく、自動車に張り巡らされている各種電線(ワイヤーハーネス)にもアルミが用いられつつある。ここでも「軽い」というのが大きなアドバンテージになっている。
アルミだけのケーブルでは強度が弱くなるなど弱点を抱えるため、鉄などを含んだ「合金」が用いられる。アルミ合金としては「ジュラルミン」が有名だ。アルミ合金・・・
近年ではアルミを導電線に用いるケースも増えている。かつてアルミと銅の調達コストは同じ程度だったが、最近はアルミが銅の三分の一程度で推移している。銅の高騰も一因だが、これによって各種ケーブルのコストは電力会社などにとって重荷になっている。これを、アルミを使ったケーブルで代替しようというのだ。ご存じの通りアルミは銅に比べて電気抵抗が大きい。しかしそれはケーブルの断面を大きくすることでクリアできる。そして、銅製ケーブルより太くしても、三〇%も軽いことが大きなメリットになる。そのため電力会社の導電線だけでなく、自動車に張り巡らされている各種電線(ワイヤーハーネス)にもアルミが用いられつつある。ここでも「軽い」というのが大きなアドバンテージになっている。
アルミだけのケーブルでは強度が弱くなるなど弱点を抱えるため、鉄などを含んだ「合金」が用いられる。アルミ合金としては「ジュラルミン」が有名だ。アルミ合金・・・