韓国内で中国を嫌悪する感情が広がっている。きっかけは北京冬季五輪だった。二月四日の開会式に、中国朝鮮族の女性が韓国の伝統衣装、韓服を着て登場。すぐさま、大統領選の与党候補、李在明氏が「文化盗用だ」と反発し、野党候補の尹錫悦氏も韓国政府が中国に謝罪を求めるよう訴えた。
　次は、七日に行われたスピードスケートのショートトラック男子一千メートル準決勝。一位でゴールした韓国選手が「無理な追い越し」を理由に失格になり、二位と三位の中国選手が決勝に進んだ。最終的に、韓国は誰も決勝に進めず、中国選手が金メダルに輝いた。「疑惑の判定」に、韓国の世論は沸騰し、中国を批判するＳＮＳやメディア報道が相次いだ。
　中国も正面から応戦した。在韓中国大使館は九日、「中国政府が競技の結果に影響を与えたり、干渉したりすることは決してない」と反論する声明を発表。「韓国の政治家らが中国政府や大会を非難し、反中感情をあおっている」とやり返したトラブルも起きた。九日夜、釜山市内の路上で二十代の中国人留学生が、三十代の韓国人男性二人から暴行を受けたとされる事件が発生した。韓国警察当局者は「歩いていて肩がぶ・・・