《企業研究》東京証券取引所
笑止千万の「市場再編」
2022年2月号
今年四月四日を期しておよそ六十年ぶりとなる市場再編に踏み切る東京証券取引所。これまでの東証一部、二部、ジャスダック、マザーズという振り分けが、「最上位市場」と位置付けられるプライムを筆頭にスタンダード、グロースの三市場に再編成される。上場基準を厳格化して日本の市場を活性化するというのが当初の目的だった。ところが上場企業の多くが東証をコケにするような行動に出たことで、もはや掛け声倒れの状況になりつつある。
「東証一部なのに時価総額もわずかで資金調達もしない企業がある。まさに上場ゴールの典型で、東証一部の看板が有名無実化しており日本市場の地盤沈下を招いている」(国内大手運用会社)。今回の市場再編は、こうした投資家の不満を背景に「上場企業のあるべき姿を追求し、日本の株式市場を活性化する」(東証関係者)という大義のもとに実行された。
例えば今の一部市場は時価総額が四十億円あれば上場できるが、一部に相当するプライム市場は上場基準を流通株式時価総額で百億円と厳しくした。また時価総額が十億円を下回った場合という上場廃止基準も、百億円に引き上げられる。このほかコーポレートガバナ・・・
「東証一部なのに時価総額もわずかで資金調達もしない企業がある。まさに上場ゴールの典型で、東証一部の看板が有名無実化しており日本市場の地盤沈下を招いている」(国内大手運用会社)。今回の市場再編は、こうした投資家の不満を背景に「上場企業のあるべき姿を追求し、日本の株式市場を活性化する」(東証関係者)という大義のもとに実行された。
例えば今の一部市場は時価総額が四十億円あれば上場できるが、一部に相当するプライム市場は上場基準を流通株式時価総額で百億円と厳しくした。また時価総額が十億円を下回った場合という上場廃止基準も、百億円に引き上げられる。このほかコーポレートガバナ・・・