皇室の風 第162話
毛細根
岩井 克己
2022年2月号
「論説委員室で女性天皇の是非が話題になったけど、男女平等の時代なんだから反対する理由はないよねと、十五分で打ち切りとなりました」
論説委員になったばかりの後輩女性記者と廊下ですれ違ったら、不安気に小声で耳打ちされた。
「でも、本当にそんな簡単でいいんでしょうかねえ?」
論説委員室に出向き、皇位継承の歴史などについて説明し、慎重論を唱えたら、後で「あいつは皇国史観か」と陰口も出たという。
読売新聞に衆参国会議員の九割以上が「女性天皇賛成」という記事が出た。産経新聞のコラムも「持統女帝は名君だった」と書いた。
記者クラブでは同紙若手記者を「産経さんは本当にそれでいいのかい?」とからかった。某皇族からは「朝日新聞唯一の右翼記者」とからかわれた。女帝推しの人気漫画家からは「岩井は皇統断絶を狙う極左」と罵られた。
なかなか皇太子夫妻(当時)に「おめでた」の気配がなかった二十年以上前のことだ。
女性・女系天皇推進論はずいぶん勉強したが、いまだに納得に至らない。小泉純一郎内閣の有識者会議の男女双系継承への着・・・
論説委員になったばかりの後輩女性記者と廊下ですれ違ったら、不安気に小声で耳打ちされた。
「でも、本当にそんな簡単でいいんでしょうかねえ?」
論説委員室に出向き、皇位継承の歴史などについて説明し、慎重論を唱えたら、後で「あいつは皇国史観か」と陰口も出たという。
読売新聞に衆参国会議員の九割以上が「女性天皇賛成」という記事が出た。産経新聞のコラムも「持統女帝は名君だった」と書いた。
記者クラブでは同紙若手記者を「産経さんは本当にそれでいいのかい?」とからかった。某皇族からは「朝日新聞唯一の右翼記者」とからかわれた。女帝推しの人気漫画家からは「岩井は皇統断絶を狙う極左」と罵られた。
なかなか皇太子夫妻(当時)に「おめでた」の気配がなかった二十年以上前のことだ。
女性・女系天皇推進論はずいぶん勉強したが、いまだに納得に至らない。小泉純一郎内閣の有識者会議の男女双系継承への着・・・