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政治

《罪深きはこの官僚》畠山 陽二郎(経済産業省商務・サービス審議官)

スポーツ賭博「一挙拡大」を推進

2022年2月号

 経済産業省がまたしても大きな利権に手を伸ばしている。
 スポーツ・ベッティング―。あらゆるスポーツの結果や試合内容を対象に、オンラインで行われる賭博のことだ。全世界の年間市場規模は百兆円とも百五十兆円とも言われる。日本で認められているギャンブルは競馬や競艇などの公営競技と、サッカーのJリーグを対象としたtotoしかない。一方で、日本国内の多くのスポーツが海外の業者によって賭けの対象になっている。試しにネット検索すると、大相撲やプロ野球で賭けをするサイトが、わんさか出てくる。これらに多くの日本人が参加しているのだ。
 法的にはグレーゾーンである。海外の業者を日本の刑法の「賭博場開張等図利罪」で摘発することは困難だ。参加した日本人を常習賭博罪などで取り締まれるか否かも結論が出ていない。事実、海外のベッティング業者を利用した日本人が摘発された例はない。
 現在、政官財が手を組み、この状況を変える動きが進んでいる。国内でのベッティングを合法化すれば、業者へ課税して売り上げをスポーツ界に還元することも可能というロジックだ。賭博の是非はあまり論じられず、「合法化あり・・・