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経済

三菱商事「洋上風力総取り」の裏事情

「安値落札」に恨み骨髄の面々

2022年2月号

 三菱商事に対する不信と批判の声は日増しに高まっている。
「岩崎弥太郎のDNAだ。いずれ高値で転売することを見越し、差益狙いの安値落札を仕掛けるのは“独占商法”にほかならない」
 経済産業省が再生可能エネルギーの「切り札」と期待する洋上風力発電―。その第一弾となる三海域の入札結果が発表された昨年十二月二十四日、多くの電力関係者は歓迎できないクリスマス・プレゼントに騒然となった。事前予想に反し、三菱商事-中部電力の連合体が三海域のプロジェクトを総取りし、しかも、落札価格は一キロワット時当たり十一・九九~十六・四九円と他社の追随を許さない安値だったからだ。
 これが、三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎の傍若無人な独占商法を彷彿とさせた。昨年のNHKの大河ドラマ『青天を衝け』さながらの展開である。「合本主義」を提唱する渋沢栄一が岩崎と対立、多くの投資資金による産業育成を進め、その利益を平等に還元したように、洋上風力に脱炭素の“青天”を夢見ていた再エネ新興企業は義憤を募らせたのだ。象徴的存在は、秋田県由利本荘市沖の案件の落・・・