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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》日本大学「危機管理学部」

「田中独裁」と政・官・メディアの癒着

2022年1月号

 東京都世田谷区にある日本大学「三軒茶屋キャンパス」では、危機管理学部とスポーツ科学部の学生たちが学ぶ。前理事長の逮捕という緊急事態に直面しても右往左往するだけだった日大。そんな大学の危機管理学部の校舎には、著名な洋画家、絹谷幸二の富士の絵が飾られている。二〇一六年四月に同学部が発足するのに合わせて日大が購入したものだ。この絵の購入プロセスには政治家で元警察官僚でもある亀井静香の名前が登場する。亀井は危機管理学部発足に深く関与した当事者であり、この絵はなんとも意味深だ。
 日大に切り込んだ東京地検特捜部は、前理事長の田中英壽を脱税の容疑で起訴した。十二月二十一日には早くも保釈されており、病院建て替えに絡んだ背任事件での立件は諦めたように見える。しかし、事件のカネの一部が田中に流れ込んでいたのは動かし難い事実。また、実行犯は田中が右腕のように使ってきた人物だった。田中の肝煎りで設立された危機管理学部には日大の歪みや、同氏がここまで暴走した理由が凝縮している。

多くの「天下り官僚」を受け入れ

「危機管理・・・