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「日米技術同盟」で中国に対抗せよ

スコット・W・ハロルド(米ランド研究所)

2022年1月号

 ―中国経済の現状は?

 ハロルド(以下SH) 日本と比べると特徴が際立つ。日本経済は、本質的に非軍事的で、民生部門に特化している。中国は、自ら「軍民融合」と言うように、技術と経済は何よりも強い軍事力を支える基盤でなければならない。この結果、中国軍は全体の規模、艦船数などで世界一に躍進した。軍事技術の水準でも米国に次ぐ。
 鄧小平は「窓を開ければ、新鮮な空気も蠅も入って来る」として外資導入を進め、ソ連と全く違う道を歩んだ。一九八九年の天安門事件のように、自由化を求める動きを何度も弾圧して、一党独裁体制を維持しながら、信じられないような高度成長を実現した。

 ―日米の技術経済同盟を提唱していますね。

 SH 世界経済の潮流を見ると、第一位の米国と第三位の日本は「現状維持」勢力だ。どちらも高度に発展した民主主義国で、東アジアや欧州など他の国々とうまくつながり、相互補完的で、活力のある国際経済体制を作り出している。
 これに対して中国は、現・・・