焼津港「カツオ窃盗」の深奥
漁師を長年欺く大掛かりな犯罪
2022年1月号
冷凍カツオの水揚げ量日本一を誇る静岡県焼津市の焼津港で、焼津漁業協同組合(焼津漁協)や水産加工会社の関係者らが相次いで逮捕された。容疑は、漁師たちが南方沖で獲ってきたカツオを、漁協職員や運送会社の運転手、水産加工会社の幹部らがグルになって盗み取っていたという「窃盗」だ。これまでに七人が逮捕され、五人が起訴されたが、これは氷山の一角にすぎない。他にも多くの漁協職員や業者の関係者が窃盗に関わり、数十年前から恒常的に繰り返されていたとみられ、地元には大きな衝撃が走っている。
東京から新幹線で静岡へ向かい、在来線に乗り換えて約十分。本誌の取材班が焼津駅で降りると、「かつお一筋、想いを込めて」というキャッチフレーズとともに、鰹節メーカーの巨大な看板が目に飛び込んできた。焼津が遠洋漁業で栄えた町であることを認識させる。
取材班は小さな町のあちこちを歩き回った。だが、「話すことは何もないよ」「俺は知らない」と関係者の口は一様に重い。何人にも取材拒否されながら、ようやくポツポツと内実を話してくれる複数の関係者にたどり着いた。
窃盗は「慣習」・・・
東京から新幹線で静岡へ向かい、在来線に乗り換えて約十分。本誌の取材班が焼津駅で降りると、「かつお一筋、想いを込めて」というキャッチフレーズとともに、鰹節メーカーの巨大な看板が目に飛び込んできた。焼津が遠洋漁業で栄えた町であることを認識させる。
取材班は小さな町のあちこちを歩き回った。だが、「話すことは何もないよ」「俺は知らない」と関係者の口は一様に重い。何人にも取材拒否されながら、ようやくポツポツと内実を話してくれる複数の関係者にたどり着いた。
窃盗は「慣習」・・・