《ヨコハマメリー》

　謹賀新年。今年こそ良い年にしたい。
　昨年はコロナに感染しても病院に収容されず、自宅で亡くなった人たちがいた。ワクチンが打ちたくても打てず、蔓延が危惧される中でオリンピックが開催された。菅総理が引きずり降ろされ、衆議院選では自民党が圧勝した。理由はわからないがコロナが急激に収束する中で、秋篠宮家のご長女眞子さんの「前例のない」結婚と天皇家のご長女愛子さまの成人が報じられた。
　私個人の出来事としては、永久の別れをいくつか経験した。いずれも九十代、八十代という高齢の知人たちだった。コロナもあり、また私自身が仕事に追われがちで連絡を怠っていた中で訃報に接し、後悔の念に苛まれる。「この仕事が一段落したら、必ずお訪ねしますので」と先方を待たせ続けた。会える時になぜ会っておかなかったのか。あの時、なぜ訪ねなかったのか。「待たせる」ことを相手に求めた悔いは、今も消えない。
　横浜にかつて「メリーさん」と呼ばれた老娼婦がいた。映画にもなり、評伝も書かれ、また彼女をモデルにした戯曲作品などもある・・・